【相続】金銭等出資型寄与分について弁護士が解説します【Q&A付 】

目次

金銭等出資型の寄与分とは?

被相続人に対して,財産上の給付あるいは財産上の利益を給付して相続財産を増加させたり,債務を肩代わりして払うことで相続財産の維持に寄与した場合です。例えば以下のようなものが挙げられます。

  • 寄与相続人が,被相続人に対し,不動産を贈与する場合
  • 寄与相続人が,被相続人に対し,不動産購入資金を贈与する場合
  • 寄与相続人が,被相続人に対し,不動産を無償使用させる場合
  • 寄与相続人が,被相続人に対し,高額な金銭を無利息で貸し付ける場合

寄与分についてはこちらの記事で解説しています。

金銭等出資型の寄与分が認められる要件

  • 被相続人との身分関係に基づいて通常期待される程度を越える特別の寄与があったこと
    相続人が被相続人に給付した額が少額である場合や,短い期間,被相続人に不動産を無償使用させた程度では特別の寄与があったとは認められません。
  • 無償又はそれに近い状態でなされていること
    なお,他の寄与分の類型では,継続的や専従性が要件とされているものもありますが,金銭等出資型の場合には1回の給付でも問題ありません。
  • 寄与行為の結果として被相続人の財産を維持又は増加させていること

金銭等出資型の寄与分の計算方法

出資のケース計算方法
動産又は不動産贈与の場合相続開始時の不動産の時価×裁量割合
不動産の使用貸借の場合相続開始時の賃料相当額×使用期間×裁量割合
金銭の贈与の場合贈与金額×貨幣価値変動率×裁量割合
金銭の無利息貸付の場合利息相当額×裁量割合

金銭等出資型寄与分が認められるとしても,必ずしも提供された財産の全額が寄与分として認められるわけではなく,一定程度減額されることもあります(上記①~④の算式で裁量割合が乗じられているとおりです)。これについては明確な基準はなく,個々の事案毎に裁判所が判断します。

金銭等出資型の寄与分に関するQ&A

被相続人が経営する株式会社に出資した場合,寄与分は認められますか?

あくまで,被相続人とは別人格を有する株式会社に対する貢献に過ぎないため,寄与分は認められないのが原則です。
ただし,会社とは名ばかりで,実際には被相続人の個人事業に近く,被相続人と経済的に極めて密着した関係にあり,会社への貢献と被相続人の資産の維持,増加との間に明確な関連性があるような場合には,寄与分が認められる可能性があります。以下の判例のとおりです。

「・・・〇〇建設は被相続人が創業した株式会社であって被相続人とは別人格として存在しており,その実質が個人企業とは言いがたい。しかし,被相続人は〇〇建設から生活の糧を得ており,自己の資産の殆どを〇〇建設の事業資金の借入の担保に供し,被相続人から恒常的に〇〇建設に資金援助がなされ,また〇〇建設の資金が被相続人に流用されたりしている。これらの事情に照らせば,〇〇建設は被相続人の個人企業に近い面もあり,またその経営基盤の主要な部分を被相続人の個人資産に負っていたものであって,被相続人がその個人資産を失えば〇〇建設の経営は危機に陥り,他方〇〇建設が倒産すれば被相続人は生活の手段を失うばかりでなく,担保に供している個人資産も失うという関係にあり,〇〇建設と被相続人とは経済的に極めて密着した関係にあったものである。そうすると,〇〇建設の経営状態,被相続人の資産状況,援助と態様等からみて,〇〇建設への援助と被相続人の資産の確保との間に明確な関連性がある場合には,被相続人に対する寄与と認める余地があるということができる。」

高松高等裁判所平成8年10月4日決定
相続人が経営する株式会社が,ほとんど就労していない被相続人に対し,役員報酬又は給与を払っていた場合,寄与分は認めれますか?

あくまで,被相続人とは別人格を有する株式会社が寄与したに過ぎず,相続人の寄与分は認められません。

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