特許権

特許権

特許権とは、特許庁が新しいかつ、有用であると認められた発明を出願した人に与えられる、その発明について一定期間、独占的且つ排他的に使用できる権利です。

こちらでは、特許権について詳しくご説明いたします。

1.特許登録を受けるための要件

1. 特許法上の発明に該当すること

自然法則を利用していること

トランプのルールや、数学上の公式、万有引力そのものは、特許登録を受けることが出来ません。

自然法則を利用していること

絵画、彫刻は、美的創造物に該当しますので、特許登録を受けることが出来ません。また、いわゆる技能といわれるもの(変化球の投げ方)も、特許登録を受けることはできません。 

創作されたもの

新しい天然物を発見しても、創出したわけではありませんので、特許登録を受けることができません。ただし、天然物から人為的に単離した化学物質、例えば、味の素(グルタミン酸塩)は、発明に該当します。

高度であること

実用新案権との違いです。→実用新案権とは

2. 特許法上の発明に該当すること

産業上利用できること

手術方法(採血方法等)の発明、治療方法(マッサージ方法)の発明、実験にのみ利用される発明は、産業上利用出来ないので、特許登録を受けることができません。 

新しいこと(新規性)

特許出願前に、テレビ放映されたり、店で販売されたり、雑誌(外国の雑誌も含みます)に掲載されたり、インターネットで公開された技術は、特許登録を受けることができません。  

例外として、学会等での発表の場合等、発表から6ヶ月以内であれば、特許登録を受けることが出来ます。

この場合、新規性喪失の例外の適用を受けようとする旨を記載した書面を特許出願と同時に提出すること、さらに特許出願の日から30日以内に、新規性の例外の適用を受けることができる発明であることを証明する書面を、特許庁に提出する必要があります。

容易に考えることが出来ないこと(進歩性)

容易に出来る程度の発明に特許権を付与すると、独占権が乱立し、産業の発達を阻害することになりますので、そのような発明は特許登録を受けることができません。

進歩性があるか否かは、当業者(その技術分野の通常の知識のある人)が、公知技術等から容易に考えられることが出来るかによって判断します。発明の寄せ集めや発明の構成の一部の置き換えなどの場合には、進歩性が否定されます。

先願であること

先に発明をした者ではなく、先に出願した者が特許権者になります。

先の出願と後の出願が、完全に同一でなくても、実質的に同一と判断されれば、後願は特許登録を受けることが出来ません。以下のような場合には、実質的に同一と判断されます。

  • 後願が、先願の発明に、周知技術を付加したにすぎず、新たな効果を奏するものでない場合
  • 後願が、下位概念で表現された先願を、上位概念として表現したものに過ぎない場合 
    例 先願がゴム(下位概念)で、後願が、弾力体(上位概念)の場合

公益に反しないこと

アヘン吸引器や紙幣偽造機械などは特許登録出来ません。

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