自社を相続したい!事業承継について解説

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事業承継とは

事業承継とは、会社の経営について経営者が後継者に引き継ぐことをいいます。
個人の場合ですと、財産を相続しますが、事業承継は企業の経営権の相続ととらえることもできるでしょう。
そこで、経営者が事業承継で考えなければならないことには、大きく2つあります。

経営権の引き継ぎ

経営者が交代することは、企業や事務所にとっての一大事です。
中小企業や零細事務所にとって、経営者の存在が会社の強みとなっているケースが多いからです。
オーナーが変わってから、事業がなりたたなくなり、倒産することもめずらしくありません。
後継者の「能力」や、「やる気」が不足していること等に起因するようです。
そこで円滑な事業承継を行うためには、後継者を事前に決定し、育成・教育を十分に行うことが必要ですまた、後継者がいない場合は、外部から優秀な人材を呼び寄せる必要性も出てきます。

自社株の引き継ぎ

後継者が実質的に経営権を引き継ぐためには、社長の地位だけでなく、会社を支配するのに可能な数量の自社株を取得することが必要です。
しかし、業績の良い会社は、自社株の評価が高くなるため、相続で一度に自社株を後継者に引き継がせると、相続税の負担が重くなってしまいます。
そこで、後継者に移す際には,どのタイミングで,どの程度の株式を承継させるかを慎重に検討する必要があります。

事業承継対策

将来的な事業承継を考えた場合、経営者はどのようなことをすれば良いのでしょう。

非上場株式や非上場企業の事業承継評価はとても困難といわれます。
非上場会社の評価は、相続税・贈与税の計算上「取引相場のない株式」に分類されます。
その評価方法は、純資産価額方式、類似業種比準方式、配当還元方式に大別されます。
これらの評価方法は、会社の規模(資産総額・従業員数・売上高等)によって変わってくるものです。

大会社では、類似業種比準方式か純資産方式
中会社では、類似業種比準方式と純資産方式の併用方式(併用割合:類似0.6~0.9、純資産0.4~0.1) 
小会社では、純資産方式または類似業種比準方式と純資産方式の併用方式(併用割合:0.5)

事業承継の対策として考えられるのは、事前に持株や不動産を贈与したり、他者に売却したり、長期的に効果のある対策をとることが重要になります。
特に、小会社の場合には、経営者自身が所有する株式や、経営している会社の自社株や不動産等の財産は、今後の事業継続を考えて後継者へ集中させて引き継がせることが重要です。
どのような財産を引き継ぐかは,相続人となる親族も含めて、よく話し合い、お互いに納得することが必要です。これを怠ると,会社経営を揺るがす事態になることもよくあります。

事業承継税制

事業承継税制とは,後継者が経済産業大臣の認定を受けた非上場会社の株式等を先代経営者から相続等により取得した場合において,一定の要件を満たすと相続税等の納税が猶予される特例制度です。

※平成27年1月1日より平成25年度税制改正による制度改正が適用されています。
相続日が平成26年12月31日以前の場合と,平成27年1月1日以降の場合で適用される制度が異なりますので,十分ご注意ください。

以下では,平成26年12月31日以前の相続・贈与に適用される制度を「旧制度」,平成27年1月1日以降の相続に適用される制度を「新制度」としています。

相続税の納税猶予制度

後継者が納付すべき相続税のうち,相続等により取得した非上場株式等(注)に係る課税価額の80%に対応する額が納税猶予されます。

<相続税の申告期限から5年間は,以下のような要件を満たして事業を継続することが必要です>
1. 【新制度】  雇用の8割以上を5年間平均で維持
   【旧制度】  雇用の8割以上を毎年維持
2.後継者が代表を継続
3.対象株式等を継続して保有
4.上場会社,資産管理会社,風俗関連事業を行う会社に該当しないこと 等

(注)相続前から後継者が既に保有していた議決権株式等を含め,発行済議決権株式総数の3分の2に達するまでの部分に限ります。

弁護士 渡辺

事業承継にかかわる問題は、税務や法務の専門知識のほか、経営に与える影響も大きいので、経験豊富な専門家へ相談するなど、十分な検討が必要です。

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代表弁護士渡辺がお話を伺い、
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