傷害事故3(保険会社との交渉)
事件の概要
車両に乗車中の高齢者(依頼者)が,赤信号で停止中,後方からタクシーに追突され,①頚項部痛,右肩腕痛,右小環指痺れ等,②腰痛,右坐骨神経痛,間欠性跛行約50メートル等の傷害を負った事案。
事故当初から依頼を受け,相手方の保険会社と治療期間の延長の交渉,後遺障害等級認定の申請,同保険会社との示談交渉を行いました。
この事案では,他覚的に神経系統の障害が証明されていないこと,既存傷害(腰部椎間板症,腰痛等)があることから,後遺障害等級認定されるか定かでなく,また,高齢者ということで,後遺症による逸失利益があるか,登録後1年の事故車につき,評価損が発生するか等が問題となりました。
結果
上記①に関しては,
『画像上,本件事故による骨折や脱臼等の明らかな外傷性の異常所見は認められず,その他診断書等からも症状の存在を裏付ける他覚的所見は認め難いことから,他覚的に神経系統の障害が証明されるものと捉えることは困難ですが,その他受傷形態や治療状況も勘案すれば,将来においても回復が困難と見込まれる障害と捉えられることから,「局部に神経症状を残すもの」として,別表第二14級9号に該当』し,
上記②に関しては,
『診断書等から,症状の存在を裏付ける他覚的所見は認め難いことから,他覚的に神経系統の障害が証明されるものと捉えることは困難ですが,その他受傷形態や治療状況も勘案すれば,将来においても回復が困難と見込まれる障害と捉えられることから,「局部に神経症状を残すもの」として,別表第二14級9号に該当する』として,別表第二併合第14級の後遺障害と認定されました。
また,後遺症に関する逸失利益に関しては,賃金センサスに基づく賃金額を基礎として,5年分,物損に関しては,修理代の1割の評価損を認めてもらい,最終的には,人損,物損を含め,合計約400万円で示談が成立しました。