
個人間融資を装ったヤミ金に注意!特徴やリスク・違法性を弁護士が解説します!

「すぐにお金が必要だけど、銀行や消費者金融では借りられない…」そういった悩みを持っている方もいらっしゃると思います。
そんなとき、SNSやインターネット掲示板でよく見かけるのが「個人でお金を貸します!」といった投稿です。
手軽に借りられそうに見えるため,つい連絡を取ってしまう人も多いでしょう。
しかし,その「#個人間融資」もしかしたらヤミ金かもしれません!
最近では、LINEやSNSなどで「即日融資OK」「審査なし」といった甘い言葉を使って、一般の人をターゲットにしたヤミ金が増えてきています。
実際に,お金を貸してくれる人は,見た目は普通の個人ですので最初はヤミ金と気づきにくいです。
しかし後から、不当に高い利息を要求されたり,返済が滞ったら脅されたり等トラブルに巻き込まれるケースもあります。
この記事では、危険な個人間融資を装ったヤミ金の特徴や、見分け方、もし巻き込まれてしまったときの相談先まで、わかりやすく解説します。
そもそも個人間融資ってなに?

「個人間融資」と聞くと難しそうに聞こえますが、要は個人と個人でお金の貸し借りをすることです。
たとえば、友達に「ちょっと1万円貸して」と頼み、翌月お給料が入ったら返す。これも立派な個人間融資に該当します。
しかし問題なのは、インターネット掲示板やSNS上で「個人間融資です」と言いながら、実はヤミ金が貸主であるケースです。
とくにSNSで「#即日融資OK」「#審査なし」「#即日振込」といった投稿をしている人は怪しいと思ったほうがよいでしょう。
中には「個人での貸し借りなので違法ではない」「安全な融資」と言ってくることもありますが,裏では高い利息を取ったり、スマホなどを担保に取って売り飛ばしたりする悪質な人もいます。
こんな貸し方を提案する人は要注意!

本当に助けてくれる個人なのか、ヤミ金業者なのか――
見分けることは非常に重要です。次は、そのような怪しい貸主の特徴を紹介します。
- 保証金や手数料を先に払わせようとする
善良な貸主であれば,お金を貸す前に債務者からお金をとることはありません。
しかしヤミ金の場合「保証金を支払えば信用する」「貸す前に審査費用が必要」といい,お金を要求することがあります。 - 法外な金利の要求
貸金業者には利息制限法で,お金を貸す際の利息の上限が法律で定められています。
しかしヤミ金は法外な利息を要求します。
“1週間で2割”“10日で5割”のようなありえない利息を要求してくることもあります。
このようなところからお金を借りてしまうと、返しても返しても借金が減らない悪循環に陥ってしまいます。 - LINEやSNSのダイレクトメッセージだけでやりとりをする
連絡手段がSNSのダイレクトメッセージやLINEだけで、住所や名前すら教えてこない相手は非常に怪しいです。
そもそもちゃんとしたお金の貸し借りであるならば、契約書を取り交わす際に相手の身元もわかるはずです。 - スマホの契約や口座の売買の要求
「スマホを契約して、それを渡してくれたら融資する」とか「お金を貸す代わりに口座を売ってほしい」と言われたら即ブロックしましょう。
これは完全に詐欺の手口であり,こちらが犯罪に加担してしまうことになってしまいます。
口座の売買は犯罪です!
口座売買は、犯罪行為と密接につながっています。
銀行口座を売却することは、詐欺グループやマネーロンダリングに利用される可能性が高く、知らないうちに大きな犯罪の一端を担ってしまう危険性があります。
例えば、違法取引の資金移動や詐欺犯罪で使われた場合、名義人が共犯として疑われる恐れがあります。
このような行為は明確に犯罪とされており、犯罪収益移転防止法や詐欺罪に問われる可能性があるため、十分な注意が必要です。
ヤミ金は違法!

「ちょっとくらいなら借りても大丈夫」「助けてくれるならありがたいし…」と思う人もいるかもしれません。
しかしヤミ金は法律違反はもちろんのこと,あなたの生活も心も壊すような存在です。ここではその理由を解説します。
ヤミ金は法律で禁止されている
まず,貸金業を営むには、金融庁が管理する「貸金業者登録制度」に則り、厳格な基準を満たす必要がありますが,ヤミ金の場合は無登録営業であることがほとんどです。この時点で違法にお金を貸しているということになります。
また利息制限法によって上限金利が明確に定められており、10万円未満の場合は年20%、10万円以上100万円未満の場合は年18%、100万円以上の場合は年15%が上限となっています。
しかし、ヤミ金はこれらの上限をはるかに超える違法な高金利で貸付を行う点が主な違いです。
また、適正な審査や書面交付などの義務も合法業者には求められますが、ヤミ金はこれらを無視する傾向があります。
返済が遅れると過剰な取立行為を行う
もし返済が少しでも遅れてしまうと、「いまから家に行くぞ」「家族がどうなってもいいのか!」などと脅迫してくることがあります。
本名も住所も知られていたとすると,自宅に押しかけてきたり,ポストに嫌がらせの文書を入れられたり、,朝や夜中に電話をかけ続け,債務者を精神的に追い詰めるような行為も行います。
また親族や職場に連絡を行い社会的に信用を失わせる行動をとる可能性もあります。
こうした手口により、被害者を「返せないが返さねばならない」という心理状態に追い込み、さらに深刻なトラブルへと発展させます。
多重債務化の危険性
ヤミ金の被害で特に深刻なのが、多重債務化の問題です。
一度高金利の返済に手を出してしまうと、返済額が積み重なり、より高額な借入や複数のヤミ金からの借金に依存するループに陥る恐れがあります。
利息制限法を無視した契約が原因で、元本は減らず利息は増え続ける一方となり,結果として人生を台無しにしてしまうケースも少なくありません。
適切な法律知識を持ち、必要に応じて法的支援を受けることで、多重債務化の危険性を未然に防ぐことが重要です。
もしヤミ金からお金を借りてしまったら?

・ヤミ金と知らずにお金を借りてしまった。
・もう連絡が怖くてどうしたらいいかわからない。
そんなときは、ひとりで抱え込まず、すぐに相談することが大切です。
ここでは、ヤミ金に関わってしまったときに取るべき行動と、頼れる相談先を紹介します。
証拠を残しておきましょう
LINEのやりとり、送られてきた音声、振り込み記録などは必ずスクショ・録音等して絶対消さずに保存しておきましょう。
あとで警察や弁護士に相談する時に、この証拠があれば話がスムーズに進むことがあります。
相談先
名称 | 詳細 |
---|---|
法テラス (日本司法支援センター) | 弁護士に無料で相談が出来ます。 また法的手続きに進む際には,法律扶助といって弁護士費用の援助を受けられる制度があります。 |
消費生活センター | 主に消費者問題の相談窓口となりますが,ヤミ金やネット詐欺にくわしい専門相談員もいます。 年末年始を除き毎日利用できます。 |
最寄りの警察署 | 脅迫や取立行為に悩んでいる場合には警察へ相談しましょう。 #9110の専用ダイヤルを利用すれば,電話をかけた地域を管轄する警察署の相談窓口につながります。 |
弁護士や司法書士への相談
法律事務所や司法書士事務所も頼りになる窓口です。
これらの機関では、ヤミ金問題に対する適切なアドバイスを提供してくれるほか,取立をとめてもらうこともできます。
安全な金融業者か確認する方法

「お金が必要なのは仕方ない。でもヤミ金には手を出したくない…」
そんなときこそ、ちゃんと安心して借りられる方法を知っておくことが大切です。
ここでは、安全にお金を借りるためのチェックポイントを紹介します。
貸金業者は、国や都道府県に登録されている必要があります。
金融庁のサイトで登録貸金業者情報検索システムで、貸主の会社名または個人名・電話番号を検索してみましょう。
ここに掲載されていなければ,違法な業者と判断してよいでしょう。
貸金業者には、契約書や重要事項説明書を書面で交付することが義務づけられています。
もし契約書がなく,作成してほしいと伝えても無視された場合には違法な業者と判断しましょう。
利息制限法では、年20%を超える金利は基本的に違法です。
「ちょっと金利が高いけど即日で貸しますよ」と言われたら、それは違法の可能性が高いです。
焦って借りると、逆に損することがありますので,冷静に判断しましょう。
どれだけ好条件でお金を貸すと言われても,「なんか引っかかるな…」と思った場合は,その直感を信じましょう。
怪しいと思ったら、借りない・近づかないことが大切です。
まとめ

困ったとき、誰かに助けを求めるのは自然なことです。
しかし、そこに付け込んでくるのがヤミ金の卑劣なやり方です。
甘い言葉の裏には、高すぎる代償が隠れています。
「少しだけなら…」「すぐ返すから…」そんな気持ちで手を出してしまう前に、正しい知識と判断力を持っておくことが、自分を守る一番の武器になります。
ヤミ金は違法業者であり我々が関わるべき相手ではありません。
万が一巻き込まれたとしても、頼れる相談先はたくさんあります、あなたはひとりではありません。
そして何よりお金の悩みを抱えたときほど、焦らず、冷静に、一歩立ち止まることが大切です。
「本当に安心できる方法か?」「相手は信用できるか?」それを見極める目を養っていきましょう。
お金の悩みは誰にでもありますが、正しい知識があれば、危ない目には遭うことはありません。
この記事が、あなたや大切な人を守るきっかけになることを祈っています。