遺産分割で揉めないために-遺産分割協議のポイント-
遺産分割の流れについてお教えします
遺産分割でお困りの方
- 「遺産分割が思うように進まない」
- 「遺産分割協議書に押印を求められたが、納得できない」
- 「遺言書の内容に納得できないので、どうにかしてほしい」
遺産分割問題は、相続が発生すると突然、表面化します。
しかし、慌てて変に動いてしまったり、当人同士が主張をぶつけ合うと、収拾がつかなくなることが多いです。
そのような状況になる前に専門家から客観的なアドバイスを受け、早期解決を図られることをお勧めします。
特に、相続人間にそもそも揉めやすい人間関係がある場合、
- 異母兄弟や異父兄弟がいる場合
- 相続人が後妻と先妻の子である場合
- 相続人である子の内に婚姻外で生まれた子がいる場合
などは、泥沼化の可能性が高いと言えます。
また、調停や審判等になった場合でも、単に自分の主張を展開するだけでは、調停委員も裁判官も理解を示してはしてくれません。法律を知った上で、実務上の運用に沿った形で、適切な主張を展開することが必要になりますので、出来る限り、専門家からアドバイスを受けることをお勧めします。
遺産分割協議のポイント
遺産分割協議とは、相続人間で相続財産の分割方法を話し合うことです。
相続人全員が一同に集るのが一番良いと言えますが、電話や手紙を使うこともできます。
また、弁護士を代理人とすることもできます。
相続人の確定
相続人の内、1人でも参加しない遺産分割協議は無効ということになります。
従って、相続人の確定は極めて重要です。
相続人が誰かについては被相続人が生まれてから亡くなるまでの全部の戸籍を取り寄せるなどして、相続人を確定する必要があります。
遺産の確定
次に、遺産が何かについても確定する必要があります。
もしも遺産の範囲について争いがある場合は、遺産確認訴訟等で遺産の範囲を確定させる必要がある場合があります。
遺産分割の基準
遺産分割の方法は、法律で原則が決められています。簡単に言うと、
- 遺言があれば、遺言通りに相続する
- 遺言がなければ、法定相続通りに相続する
ということです。
ただし、以下のような場合には、これを修正する法的手段が用意されています。
寄与分・・・・・・・・被相続人の財産の維持・増加に寄与した場合
特別受益・・・・・・・生前贈与を、相続財産の一部とみなす場合
遺言書があっても「納得できない」とか、「遺留分を求めたい」というようなことで争いになることがあります。
また、遺言書がない場合に、法定相続どおりに分けることについて不平や不満が出てくることもあります。
これらの遺産分割問題を解決する方法は、以下の流れになります。
当事者(もしくは代理人弁護士)による交渉
遺産分割調停・審判について
遺産分割の調停とは
遺産分割協議がまとまらない場合や話し合いに参加しない相続人がいる場合は、相続人は家庭裁判所に、その分割を請求することができます。遺産分割事件は、調停を経ずにいきなり審判を申し立てることもできますが、通常は先ず、調停の申立を行います。
遺産分割調停は、家庭裁判所の調停室という場所で、調停委員という仲裁人を交えて行う、相続人間の話し合いです。
調停では、相続人が一堂に会して話し合うのではなく、交互に自分の主張を調停委員に伝え、調停委員を通じて互いの意見を交換します。調停委員は、相続人全員の意見を聞いて、各人が納得できるように解決案を提示したり助言をして、話し合いがうまくまとまるように調整をします。
全員の合意が成立した場合には、調停調書が作成されます。
調停調書は確定判決等と同一の効力があるので、これに基づいて調停の内容を強制的に実現することが可能になります。
遺産分割の審判とは
調停はあくまでも話し合いですので、全員が合意しなければ遺産分割協議は成立しません。
調停が成立しなければ、審判に移行することになります。
その場合、遺産分割審判という手続きに入ります。遺産分割審判では、家庭裁判所の家事審判官(裁判官)が各人の主張や証拠等もとに審判を下します。
この審判は、確定した場合、判決と同じように、これに基づき強制執行を行うことが可能です。