



法律事務所リベロ(東京都足立区)
所長弁護士
あなたの職場で、不機嫌を表に出す人がいて困った経験はありませんか?
何の前触れもなく突然入る不機嫌スイッチに、周囲は戸惑ってしまいます。「私、何かしてしまったのかな」「上司が自分にだけ大きなため息をつく・・・」と考えてしまう人もいるでしょう。このように、不機嫌で周囲の人をコントロールしようとすることは「不機嫌ハラスメント」であり、パワハラの一種であると言えます。
このコラムでは、不機嫌ハラスメント(フキハラ)の具体例や原因、そして不機嫌に振り回されないための心構えについて詳しく解説します!
不機嫌ハラスメント、通称フキハラとは、不機嫌な態度を取ることで、相手に精神的な苦痛を与える行為を指します。フキハラは、特に家庭内や職場で頻繁に起こる問題であり、誰かが突然怒ったりキレることで全体が不安定な状態に陥ります。
不機嫌ハラスメントは、モラハラやパワハラと同様に、自分より上の人間や外の人間に対して良い人を装う場合が多く、反対に職場や家庭内でその不機嫌さが顕著に現れます。これは、無視やため息、言葉遣いの乱れなど、さまざまな形で表れます。
フキハラは、パワハラと混同されがちですが、その本質には違いがあります。
パワハラは身体的暴力ではなく、主に言動で相手に精神的な苦痛を与える行為全般を指しています。具体例としては、言葉による攻撃や無視、過度な叱責などが挙げられます。
一方、フキハラは「不機嫌」という特定の感情表現を手段として使うことが特徴です。パワハラが広範な心理的攻撃を含むのに対し、フキハラはより限定的ながらもその影響は大きいです。
不機嫌ハラスメント、または「フキハラ」とは、職場で相手に対して不機嫌な態度を取り続けることにより、精神的な苦痛を与える行為を指します。
例えば、舌打ちや無言で仕事の依頼を押しつけること等も不機嫌ハラスメントの一例です。
不機嫌ハラスメントは男女共に見られる問題ですが、その表れ方には違いが見られます。
男性がフキハラを行う場合、機嫌が悪くなると黙り込んで無視を続けることが多く、職場内でのコミュニケーションが極端に減少する傾向があります。一方、女性の場合は感情を爆発させてヒステリックになり、同僚や部下を侮辱する言動が目立つことがあります。この違いが原因で、職場全体が不安定になります。
上司や同僚からのフキハラによる威圧から「仕事を辞めたい。」と考える人も多いようです。
つまりフキハラは退職の原因に十分なり得るのです。
不機嫌ハラスメントをする人には、不機嫌な顔や態度を出して自分の欲求や意見を通したい(相手をコントロールしたい)という考えが根底にあります。
パワハラと同じく、相手を支配・コントロールできると思っている相手にしか出さないので、上司や取引先など自分の上の人にはフキハラをすることはありません。一方で同僚や部下自分が格下だと思っている人にはフキハラをするのです。
フキハラをする原因として、心理的要因と社会的要因が考えられます。
不機嫌ハラスメントの原因として、まず考えられるのが「心理的要因」です。不機嫌な態度を取る人々は、しばしば自己肯定感が低いことが共通点として挙げられます。自己評価が低いと周囲の評価や反応に過度に依存してしまい、不安やストレスを感じやすくなります。その結果、ネガティブな感情を周囲に向けてしまうのです。
また、幼少期の家庭環境や過去のトラウマも大きく影響します。例えば、厳しい親の下で育ち、感情を抑圧されてきた経験がある場合、大人になってからその抑圧が不機嫌という形で表れることがあります。
次に、「社会的要因」も不機嫌ハラスメントに大きく関わっています。現代社会では、仕事や家庭内でのプレッシャーが増加しており、働く人皆が日々のストレスに晒されています。
職場での過度な労働や家庭内での役割分担の不均衡などが精神的疲労を引き起こし、不機嫌さや怒りとなって表れます。また、社会的な役割期待が男女に異なることも問題です。
例えば、夫が家計を支えるプレッシャーや妻が家庭と仕事の両立を完全にこなさなければならないというプレッシャーが昂じて、不機嫌さが他者へのハラスメント行為に繋がることがあります。
さらに、SNSやインターネットの普及により、一見他者とのコミュニケーションが増えたように見えますが、実際には孤独感や疎外感を強く感じているケースも多いのです。
不機嫌な同僚や上司に支配されないためには、まず自己肯定感を高めることが重要です。
自己肯定感とは、自分自身を肯定し、価値ある存在だと認識する感情のことです。職場の人間関係において、自己肯定感が低いと、同僚や上司の不機嫌な態度やモラハラに対して過剰に反応してしまい、ストレスを抱え込むことになります。自己肯定感を持つことで、同僚や上司の不機嫌に振り回されず、自分の価値や意見を守る力を養えます。
では、具体的にどうすれば自己肯定感を高めることができるのでしょうか?以下の方法が効果的です。
これらの方法を取り入れ、自己肯定感を高めることで、相手の不機嫌な態度に対抗しやすくなり、人間関係の改善にもつながります。お互いを理解し尊重し合うために、まず自分自身を大切にすることから始めましょう。
上司や同僚がフキハラがあまりにも酷く,職場全体やフキハラを受けた人の心身に重大な影響を及ぼしている場合には相談窓口へ相談することをおすすめします。
例えば、仕事の分担が不公平であり、相手の努力に対して感謝が全くない場合や、相手の意見や話を無視することが頻繁になる,相手がコミュニケーションを避け、職場の雰囲気が重苦しくなると非常に危険な状況です。
これらの行動は、パワハラの一部であり、精神的な苦痛を引き起こす原因となります。
「怒鳴る等直接攻撃をしていないのだからパワハラにならない。」というわけではありません。
こういったフキハラもパワハラに該当するということを組織全体で認識しておくことが必要です。
パワハラ(フキハラ)に対し,組織が講じるべき対策は以前のコラムにも掲載しておりますので併せてご覧ください。
組織としてパワハラやフキハラを発生させないためには
以上が必要になります。
相談窓口を介しても改善が見込めない場合には、退職も含めた決断も視野に入れ、安全で健全な職場探しをすることが必要です。
このコラムでは、不機嫌ハラスメント(フキハラ)の定義や具体例・その要因、そしてそれに対する解決策を解説しました。
不機嫌な同僚や上司に支配されないためには、いくつかの重要な心構えが必要です。
まず、自己肯定感を高めることが全ての基盤となります。
自己肯定感が高まれば、困難な状況でも自信を持って対応することができます。また、効果的なコミュニケーション方法や、感情を伝える技術、相手を理解する能力も重要です。これらのスキルを習得することで、職場内の誤解やストレスを減らすことができるでしょう。
しかし,それだけではハラスメントの根本的な解決には至りません。
個人だけでなく組織全体がハラスメントへの正しい知識をもつこと,1人で抱え込まずに第三者へ相談することおよびその体制作りが解決の第一歩となります。
特許事務所にて 特許出願、中間処理等に従事したのち、平成17年旧司法試験合格。
平成19年広島弁護士会に登録し、山下江法律事務所に入所。
平成23年地元北千住にて独立、法律事務所リベロを設立。
弁護士として約18年、離婚、相続、債務整理、交通事故、労働問題、不動産、刑事事件、消費者事件、知的財産、企業法務等、多岐に渡って相談をお受けしております。事件に対する、粘り強く、あきらめない姿勢が強みです。極真空手歴約20年。
法律事務所リベロは北千住徒歩7分の地域密着型法律事務所です。堅苦しくなく、依頼者の方が安心して相談出来る事務所です。お気軽にご相談ください。
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代表弁護士渡辺がお話を伺い、
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