受付:平日9時〜18時
トーマスエジソン②~エジソンの母ナンシーの教育

前回のコラム,トーマスエジソン①の続きになります。

わずか3ヶ月で小学校を落ちこぼれたエジソンですが,母親の教育により後に大成功をおさめました。
トーマスエジソンの母ナンシーは,エジソンをどのように育てたのでしょうか?
エジソンの母ナンシーの教育方法

エジソンは小さい時から好奇心が強く,小学校では,先生にしつこく,なぜ?と質問をするため先生は閉口してしまいました。
エジソンは,学校では落ちこぼれというレッテルを貼られ,3ヶ月で小学校を中退してしまいましたが,母ナンシーは意に返さず,愛情をもって育てました。
ナンシーは,エジソンの感受性をそのまま大事に育てあげようと考え,エジソンと一緒になって,自然や人間などを観察していました。また,エジソンが観察した花,虫,鳥や魚のことなどに,心からの関心を寄せて聞いていました。
エジソンは,ナンシーに,なぜ?と質問を繰り返し,その中にはおかしな質問もありましたが,ナンシーが,エジソンをバカにしたことは一度もありませんでした。質問に対しては,答えを教えるのではなく,一緒になって考え,エジソンが自主的に答えを見つけられるよう手助けをしてあげていました。答えが見つかっても見つからなくても,一緒になって,考えたり,話し合ったりしていたのです。エジソンは本好きで,小説,詩,歴史,科学など,あらゆる本を読んでいたようですが,ナンシーは,その感想などを夜中まで聞いてあげることもあったようです。
エジソンは,分からないことには「なぜ」と問いかけて,自分で,調べ,考え,答えを探していました。はじめから正解などありませんから,勉強というよりは,自分で謎解きをしてるようなものだったのでしょう。正解,不正解で評価されないため,思う存分,想像力を働かせることが出来たのでしょう。
このようにして,エジソンの好奇心は限りなく広がりました。
エジソンは学校には行きませんでしたが,ナンシーのおかげで,あらゆる分野に知的好奇心を持つようになり,情熱をもって勉学に励みました。
そして,大人になってからも,子供の頃の知的好奇心,情熱を失わなかったため,創造力を最大限発揮して,ありとあらゆる発明をすることが出来たのです。エジソンにとっては,子供の時の謎解きと同じことをやっているに過ぎなかったのかも知れません。
知的好奇心を育てましょう

一方,現代の偏差値偏重の教育は,既に正解があって,その正解に辿り着けるように,予め知識を覚えさせ,テクニックを教える。正解が決まっているため,想像力を最大限まで発揮することはない。むしろ,自由に想像力を働かせると正解から離れてしまうため,型通りの考えしか出来なくなる。学問の本質を深く学ぶのではなく,解法のテクニックを学ぶ。勉強の範囲も試験に出る範囲に限定されてしまうため,興味も限定されてしまう。
エジソンが受けた教育と比較すると,現代の教育の問題点が浮かび上がってきますね。
エジソンの母親の教育からは,子供の才能を開花させるには,「なぜ」を考える習慣をつけることが大切だと分かります。
この「なぜ」の追及は,「モナ・リザ」や「最後の晩餐」を始めとした名作を残しレオナルド・ダ・ヴィンチも大切にしていたもので,ダ・ヴィンチは,常々「なぜ」とつぶやきながら,仕事をしていたそうです。
子供は好きなことは親がやれと言わなくてもやります。逆に興味がないことにことに親から,学校から勉強しろと言われても余りやりません。
ですので,科目や試験範囲等にかかわらず,子供が,「なぜ?」と純粋に興味を持ったことに対しては,本などを読ませてあげて,自ら考える習慣を身に付けさせてあげること,時には,一緒に話し合ったりして,その好奇心を発展させてあげることが重要だと思います。
自分で考えるのが好きになれば,子供は親がなにも言わなくても,色々な分野の勉強をするようになるでしょう。その結果,子供の能力が自然に開発されるのではないでしょうか。
読書は知的好奇心を刺激します
無理矢理,暗記させたり,テスト勉強をさせるのではなく,好きなことをとことん追及させてあげる。教科書などにはこだわらず,色んな本を読ませてあげる。こういったことが子供の潜在能力開発には重要なことだと思います。
エジソンにしろ,リンカーンにしろ,小学校にはほとんど行ってませんが,二人とも,興味のある本を手当たり次第,読むことで,能力を開発しました。

オマハの賢人といわれるウォーレン・バフェットも一日のうち6時間を読書にあてているようです。ビル・ゲイツも,子供の頃から平均週1冊のペースで読書をしているようです。
このように,成功者は共通して,読書家です。
是非,子供には,テストのための勉強ではなく,自身の知的好奇心を発展させてあげるような勉強をさせてあげましょう。
母ナンシーの無条件の愛

なお,ナンシーは,ありのままのエジソンを心から愛していましたが,エジソンが悪いことをした時は,厳しく叱っていました。何度も,ブナの木の枝でエジソンの尻を叩いたこともあったようです。
しかし,叱るときにはきちんと理由を告げ,短時間で済ませていました。そして,一旦叱った後は,それを引きずるようなことをせず,すぐ楽しい話に切り替えていたようです。本当の愛があったからこそ,エジソンも反抗することがなかったのでしょう。
聖書には,
むちを控える者は自分の子を憎む者。子を愛する者は努めてこれを懲らしめる。
箴言14章24節
とあります。懲らしめのない家庭で育った子どもたちは,自分は望まれていない,価値がないと感じてしまう傾向があると考えられています。
その一方,
望みのあるうちに,自分の子を懲らしめよ。しかし,殺そうとまで考えてはならない。
箴言19章18節
とあるように,懲らしめは愛とバランスをとる必要があると思います。そうでないと,子どもたちは怒りっぽく,落胆し,反抗的に育つかも知れないからです。
若者をその行く道にふさわしく教育せよ。そうすれば,年老いても,それから離れない。
箴言22章6節
ナンシーはこれらの聖書のことばを実践し,エジソンを発明王に育てあげました。
今の偏差値偏重の教育には余り期待が出来ない以上,親の皆様が,子供が行く道にふさわしく教育してあげて下さい。
子供の将来は,親のあなたの教育にかかっています。
是非,エジソンの母親から知恵を学んで頂ければと思います。