経営不振で事業が継続できない!法人再生と倒産の手続

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不況による業績悪化はどう対応する?

構造不況によって、中小企業・個人事業の倒産・破産は増加の一途を辿っています。
また、中小企業金融円滑化法による条件変更はこれまで300万件といわれていますが、2013年3月には期限切れとなりました。

現在、事業を終結させるか継続させるかという決断を迫られている経営者様も多いと思います。
しかし、「この手形を何としても落とさなければならない」などと資金繰りに追われると、「何としても落としたい」との思いから、資金の確保しか考えることができなくってしまう、冷静で客観的な判断ができなくなり、怪しい高利貸しから借金をしてしまうなどして、それが最終的に破たんの要因になってまうといったことが少なくありません。

まずは、冷静になることが大切です。
いよいよ経営破綻・・・という状況になってしまったら、まず、会社の再建を目指して、以下のことを行ってください。

債権者に対し支払いの延期の交渉を行う

自主再建への時間的・経済的猶予を獲得することを目的とします。
また債権者より協力を得て,債権放棄等を得られないか検討してもらうのも1つの手段です。

人員削減を含むリストラ計画の策定と実行

または再建のためのスポンサーを募集するのもよいでしょう。

民事再生(会社更生)手続の採用を検討する

どうしても会社の再生が困難であるときは,会社の破産あるいは特別清算により整理しましょう。

会社破産を検討する場合

破産とは、債務者が経済的に破綻し、債務の支払いが困難になった場合に、債権者の個別の権利行使を制限しながら、破産者の総財産を換価し、債権者に対して公平に配当を行う手続きです。

破産申立の条件

破産の申立は、債務者に支払不能などの破産の原因がある場合に、裁判所に申し立てることによって開始されます。
申立は債務者自身が行う(自己破産)のが通常ですが、債権者が行うこともできます。
近年、自己破産は増加の傾向にあります。破産の申立があると、裁判所は破産原因の有無を審理します。

破産の原因

破産原因には、支払不能と、債務超過があります。
支払不能とは、簡単に言えば広く債務が弁済できない状態をいいます。債務超過とは、債務額がプラスの財産額を超える状態をいいます。
このような破産原因があると認められれば、裁判所は破産宣告をすることとなり、債務者は破産者となります。
破産宣告によって、宣告当時破産者が所有していた財産は破産財団となって、通常裁判所が選任した破産管財人の占有管理に服することになります。

ただし、個人事業者につきましては、破産財団が破産手続き費用に不足するときは、管財人を選任することなく、開始決定と同時に破産手続の廃止決定がされます。
もっとも、軽微とはいえない免責不許可事由がある場合には、管財人が選任されます。

民事再生手続とは

民事再生とは、債務者が資金繰りに行き詰まったり、債務超過の恐れがあるなど経済的に窮地にある場合に、裁判所の関与の下で、債権者等の協力を受けて、自主性を尊重しながら、債務者の事業または経済生活の再生を図る手続きです。

事業活動を継続するためには、資金繰りの確保と、債務不履行(特に手形の不渡り)を回避することが必要となりますが、民事再生のメリットは、弁済禁止の保全処分を得ることにより、資金繰りの余裕ができるようになると共に、債務不履行、手形の不渡りを合法的に回避できる点にあります。
また、現在の経営者が経営権を手放さずに、再建を図ることが出来るというメリットもあります。
民事再生手続における再生計画案のポイントは「営業利益段階で黒字計上できるかどうか」です。もちろん、これには現時点だけでなく、近い将来黒字計上できるかどうか、という判断も含まれます。これができるのであれば、民事再生法を活用して、再生できる可能性があります。

弁護士 渡辺

1999年に成立した民事再生法は、未だに「倒産扱いされる」等の誤解が多いのですが、全国的に実績があり、多くのメリットがある会社再建の方法です。

特別清算手続について

特別清算とは、債権者の保護のために株主等の申立てにより裁判所の命令によって開始され、関与に基づき行われる清算手続です。
破産と比べ柔軟な処理ができ、また裁判所の予納金が低額であるなどメリットもあります。
しかし、少なくとも債権(額)者の3分の2以上の賛成がなければ成立せず、中小企業の場合、特に金融機関から特別清算の賛成を得ることは難しいので、特別清算が可能なケースは限られると言えます。

破産とどう違う?

会社破産では、裁判所によって破産管財人が選ばれ、会社の管理処分権は全て(代表)取締役から管財人へ移転します。
その後、破産管財人が財産調査を行い、不正行為があった場合には取消(否認)すこともあります。債務の弁済が可能な場合は、管財人による平等な配当によることになります。

これに対して、特別清算では、裁判所の監督は受けるものの、清算人(従前の取締役が就任可)が清算事務を遂行し、債務の弁済は協定あるいは和解によって柔軟な取扱いが可能です。
ただし、前にも述べましたが、債権(額)者の3分の2以上の賛成が必要となります。否認制度はありません。

通常清算とはどう違う?

法人が解散や破産などで活動を終了する際に、それまで集積した債権債務を解消し、残余財産を構成員に分配するときに、清算という言葉が用いられます。
この際、法定の方法による清算で、株式会社・公益法人等では強制され、清算人によりおこなわれるものを、法定清算と言います。

この法定清算には通常清算と特別清算がありますが、特別清算は債務超過(負債額がプラスの財産額を上回る状態)などの事情があるときに行われます。
通常清算は、裁判所の監督を受けませんので特別清算より簡単な手続きになりますが、債務超過の疑いなどがあるときにはできません。この場合には、特別清算をすることが義務付けられています。

中小企業の場合、特別清算が可能なケースは限られますので,一度弁護士にご相談ください。

会社の破産や再生手続を弁護士に依頼するメリット

会社が破産手続きを選択すると、裁判所から選任された破産管財人が会社財産を債権者に公平に配当しますので、債権者が経営者やご家族に直接請求したりすることはできなくなりますし、一部の債権者だけが強引に有利な分配を受け取ることもできなくなります。
従業員等にも、給料や退職金などを先に確保するなどして、最低限の配慮をすることができます。

弁護士は当然、守秘義務を負っていますので、相談していることを他の誰かに知られることはありません。
経営者の方は、お一人で問題を抱え込んでしまいがちですが、まずは、弁護士にご相談ください。
これまでの経験と知識から、少しでもお役に立つ情報を提供し、お力になれると思います。

ご相談予約

代表弁護士渡辺がお話を伺い、
最後まで責任を持って担当いたします。
安心してご相談ください。

法律相談料:5,500円/30分

受付:平日9時〜18時

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